• これまでの5年をふりかえりながら、これからも生きる

    私が体験した乳がんの治療について、
    発症した2014年に遡り少しずつ書いていく。こうして書こうとずっと思いながら、なかなか踏ん切りがつかなかった。

    がんの除去手術、抗がん剤、放射線とひととおりの標準治療を終えてから2021年3月で5年がたつ。私の主治医によると、これで5年生存したということになるそうだ。今はホルモン療法を続けており、もうあと5年(全部で10年)薬を飲むことになっている。

    私の身の上にがんなどあったのだろうか?
    と今は思うほどに普通の生活をしている。とはいえ、私の生き方を変えたことは確かなのだ。

    闘病中に気になったことは、がんが治るのか、あとどれだけ生きられるのか、ではなく、同じ病気になった人がどんなふうに生活しているのか、だった。私の治療は7-5年前、最新の治療は格段に進歩しているだろうから、がん治療の参考にはなることはないだろう。症状や治療の内容もそれぞれに違う。ただ、治療をしながらどんな生活だったか、どんな気持ちだったかを伝えたい。

  • 病理診断

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